受賞

林文夫教授,アメリカ芸術科学アカデミー外国人名誉会員に選出

林 文夫 教授

 2005年4月22日,アメリカ芸術科学アカデミーは,194 名のフェローと17名の外国人名誉会員を発表し,東京大学大学院経済学研究科の林文夫教授が外国人名誉会員に選出された。林教授の主たる研究分野は,マクロ経済学および計量経済学であり,幅広い分野で数多くの研究業績が残されている。なかでも,消費と貯蓄および投資関数に関する理論的・実証的分析は,今日でも内外の専門誌で頻繁に引用される業績が多く,マクロ経済学の分野で新しい研究領域を開拓した研究である。また,最近では,ノーベル経済学賞受賞したEdward Prescott氏と日本の全要素生産性に関する共同研究を行い,1990年代の日本経済の低迷に関する従来の研究結果に一石を投じた。

 今回,学術及び芸術分野,官民の各機関で活躍する211名が会員として選出された。その中には,ノーベル賞物理学者 Eric Cornell氏,最高裁判所長官 William Rehnquist氏,火星探査機ローバー計画のリーダー Steven Squyres 氏,ワシントンポスト社CEO Donald Graham 氏,タイム社CEO Ann Moore 氏なども名を連ねた。

 アメリカ芸術科学アカデミー会員となることは,その時代の最高の精神と影響力の象徴としてアメリカでは最高の栄誉とも言われている。18世紀にはGeorge Washington, Ben Franklin,19世紀には Daniel Webster, Ralph Waldo Emerson, 20世紀には Albert Einstein, Winston Churchill などが会員に選出された。また外国人名誉会員には,Niels Bohr, Jawaharlal Nehru, Albert Camusなどが過去に選出されており,日本人では,有馬朗人氏(元東京大学総長),野依良治氏(理化学研究所理事長)が外国人名誉会員である。