研究科長挨拶
東京大学経済学部は、2019年に100周年を迎えました。この間、経済学部は、多くの卓越した教授陣が世界をリードする研究成果を生み出してきました。また、日本、そして世界の発展を支える多くの素晴らしい人材を育ててきました。その伝統を引き継ぎ、現在も、世界的に活躍する多様な教授陣が教育研究活動を行い、将来を嘱望される優秀な学生が日々勉学に勤しんでいます。
東京大学経済学部・経済学研究科は、多彩な学問分野にわたり、世界最高水準の教育・研究を行っています。学部には、経済学科、経営学科、金融学科の3学科が用意されています。大学院経済学研究科は経済専攻とマネジメント専攻に分かれ、経済専攻には、経済学コース、統計学コース、地域研究コース、経済史コースがあります。マネジメント専攻は、経営学コースと数量ファイナンスコースから成っています。どの分野においても、最先端の研究に裏付けられた質の高い教育が行われています。
私たちは、社会との接点を保つことも重視しています。教職員一人ひとりの社会的活動に加え、6つの附属センターが、研究成果の社会還元を行っています。日本経済国際共同研究センター(CIRJE)は、日本経済分析を主としながらも、様々な分野において国際共同研究を推進する活動を行っています。金融教育研究センター(CARF)は、アジアパシフィック地域における金融研究の中心的役割を果たしています。経営教育研究センター(MERC)は、本研究科の経営学研究と企業をつなぐ教育研究機関です。政策評価研究教育センター(CREPE)は、EBPMと言われる「エビデンスに基づく政策決定」を推進するための研究教育センターです。不動産イノベーション研究センター(CREI)は、東京大学内の諸研究機関をまたぐ、不動産研究の学際的組織です。そして、東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)では、社会にとって望ましいゴールを実現するためには、「ゲームのルール」をどう定めれば良いのかを研究し、そのルールを実装していく活動を行っています。これらのセンターの活動を通し、私たちが得てきた研究成果を社会に還元し、そして同時に社会から学び新たな研究へとつなげています。
経済学部・経済学研究科は、日々の研究・教育を通じ、これからも社会に貢献していきます。
2023年4月1日
東京大学大学院経済学研究科長・経済学部長
古澤泰治