岩本 康志
略歴
| 昭和59年3月 | 京都大学経済学部卒業 |
| 昭和62年3月 | 大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程退学 |
| 平成2年9月 | 大阪大学経済学博士 |
| 平成17年4月 | 東京大学大学院経済学研究科教授 |
| 平成30年4月 | 国立国会図書館調査及び立法考査局専門調査員 |
| 令和2年4月 | 東京大学大学院経済学研究科教授 |
現在の研究分野
公共経済学、マクロ経済学
研究課題
主として公共経済学とマクロ経済学の分野で、動学的要素が問題となる政策課題を対象にした研究をおこなってきた。最近は、社会保障とマクロ財政運営の比重が高くなっている。社会保障に関しては、社会保障制度がもつリスク吸収機能をミクロデータによって評価すること、将来の人口高齢化に対応できる社会保障制度の制度設計が最近の研究課題になっている。マクロ財政運営では、安定化政策における財政政策の役割、わが国の財政健全化へ向けた財政ルール設計の研究をおこなっている。
研究業績
著書・編著 - 2001年以降
- 『マクロ経済学』有斐閣，2010年4月（齊藤誠，太田聡一，柴田章久と共著）
- 『現代経済学の潮流2006』東洋経済新報社，2006年6月（太田誠・二神孝一・松井彰彦と共編）
- 『現代経済学の潮流2005』東洋経済新報社，2005年7月（橘木俊詔・二神孝一・松井彰彦と共編）
- 『現代経済学の潮流2004』東洋経済新報社，2004年10月（岩田規久男・本多佑三・松井彰彦と共編）
- 『社会福祉と家族の経済学』東洋経済新報社，2001年12月（編著）
- 『金融機能と規制の経済学』東洋経済新報社，2001年10月（齊藤誠・前多康男・渡辺努と共著）
論文 - 2001年以降
- “A Reappraisal of the Incidence of Employer Contributions to Social Security in Japan,” Japanese Economic Review, Vol. 61, No.3, September 2010, pp. 427-441 (with Junya Hamaaki)
- “On the Consumption Insurance Effects of Long-term Care Insurance in Japan: Evidence from Micro Household Data,” Journal of the Japanese and International Economies, Vol. 24, Issue 1, March 2010, pp. 99-115 (with Miki Kohara and Makoto Saito)
- “Prefunding Health and Long-term Care Insurance,” Public Policy Review, Vol. 5, No. 2, November 2009, pp.255-286 (with Tadashi Fukui)
- 「行動経済学は政策をどう変えるのか」池田新介・市村英彦・伊藤秀史編『現代経済学の潮流2009』東洋経済新報社，2009年9月，61-91頁
- 「社会保障財源としての税と保険料」国立社会保障・人口問題研究所編『社会保障財源の効果分析』東京大学出版会，2009年4月，13-35頁
- 「社会保険料の帰着分析」国立社会保障・人口問題研究所編『社会保障財源の効果分析』東京大学出版会，2009年4月，37-61頁（濱秋純哉と共著）
- 「租税・社会保障制度による再分配の構造の評価」『季刊社会保障研究』第44巻第3号，2008年12月，266-277頁（濱秋純哉と共著）
- 「長期低迷・デフレと財政」『経済学論集』第74号第2巻，2008年7月，56-79頁（榎本英高と共著）
- “International and Intergenerational Aspects of Capital Income Taxation in an Endogenously Growing World Economy,” Review of International Economics, Vol. 16, No. 2, May 2008, pp. 383-399 (with Akihisa Shibata)
- “Policy Options for Financing the Future Health and Long-term Care Costs in Japan,” in Takatoshi Ito and Andrew Rose eds., Fiscal Policy and Management in East Asia, Chicago: The University of Chicago Press, 2007, pp. 415-442 (with Tadashi Fukui)
- 「医療・介護保険への積立方式の導入」『フィナンシャル・レビュー』第87号，2007年9月，44-73頁（福井唯嗣と共著）
- 「公的金融機関の政策コストと行政コストの関係」『金融研究』第26巻第1号，2007年2月，43-72頁
- 「社会保険料の帰着分析：経済学的考察」『季刊社会保障研究』第42巻第3号，2006年12月，204-218頁（濱秋純哉と共著）
- 「公共投資は役に立っているのか」大竹文雄編『応用経済学への誘い』日本評論社，2005年10月，115-136頁
- 「消費税の軽減税率適用による効率と公平のトレードオフ」『経済分析』第176号，2005年6月，19-41頁（村澤知宏・湯田道生と共著）
- “Interactions between Monetary and Fiscal Policy and the Policy Mix,” in The Effectiveness of Stabilization Policies: The Bank of Korea International Conference 2005, Seoul: Bank of Korea, 2005, pp. 149-183
- 「財政再建と望ましいポリシーミックスのあり方」貝塚啓明・財務省財務総合政策研究所編『財政赤字と日本経済：財政健全化への理論と政策』有斐閣，2005年4月，101-124頁
- 「公的年金の改革：民営化論を中心として」『大阪大学経済学』第54巻第4号，2005年3月，174-186頁
- “Monetary and Fiscal Policy to Escape from a Deflationary Trap,” Bank of Japan Monetary and Economic Studies, Vol. 23, No. 1, February 2005, pp. 1-46
- 「『デフレの罠』脱却のための金融財政政策のシナリオ」『金融研究』第23巻第3号，2004年10月，1-47頁
- 「人口高齢化と社会保障」『フィナンシャル・レビュー』第72号，2004年8月，58-77頁
- “Issues in Japanese Health Policy and Medical Expenditure,” in Toshiaki Tachibanaki ed., The Economics of Social Security in Japan, Cheltenham: Edward Elger, 2004, pp. 219-232
- “The Fiscal Investment and Loan Program in Transition,” Journal of the Japanese and International Economies, Vol. 16, No. 4, December 2002, pp. 583-604
- 「財政政策の役割に関する理論的整理」『フィナンシャル・レビュー』第63号，2002年7月，8-28頁．「八田・吉川氏へのリプライ」33-35頁
- 「高齢者医療保険制度の改革」『日本経済研究』第44号，2002年3月，1-21頁
- 「社会福祉と家族の経済学」岩本康志編『社会福祉と家族の経済学』東洋経済新報社，2001年12月，3-13頁
- 「政府統治理論から見た行政改革」『政府統治の研究』国際高等研究所，2001年6月，5-17頁
- 「同居選択における所得の影響」『日本経済研究』第42号，2001年3月，21-43頁（福井唯嗣と共著）
- 「世帯構成員の長期療養に起因する経済厚生の損失について：要介護者と寝たきりの経済的コスト」『季刊社会保障研究』第36巻第4号，2001年3月，547-560頁（小原美紀，齊藤誠と共著）．「世帯構成員の長期療養に起因する経済厚生の損失」に改題，岩本康志編『社会福祉と家族の経済学』東洋経済新報社，2001年12月，139-162頁
- 「日本の財政投融資」『経済研究』第52巻第1号，2001年1月，2-15頁．高山憲之編『日本の経済制度・経済政策』東洋経済新報社，2003年4月，71-99頁
その他 - 書評 - 2001年以降
- 大竹文雄『日本の不平等』（日本経済新聞社，2005年）『季刊社会保障研究』第42巻第1号，2006年6月，98-101頁
著書・編著 - 2000年以前の主要業績
- 『経済政策とマクロ経済学』日本経済新聞社，1999年10月（大竹文雄，齊藤誠，二神孝一と共著）
論文 - 2000年以前の主要業績
- “Do Borders Matter? Evidence from Japanese Regional Net Capital Flows,” International Economic Review, Vol. 41, No. 1, February 2000, pp. 241-269 (with Eric van Wincoop)
- “Foreign Tax Credit and the Current Account,” International Tax and Public Finance, Vol. 6, No. 2, May 1999, pp. 131-148 (with Akihisa Shibata)
- “Japan’s Saving Rate is Indeed Lower Than Professor Hayashi Revealed,” Japan and the World Economy, Vol. 8, No. 1, March 1996, pp. 35-41
- “Effective Tax Rates and Tobin’s q,” Journal of Public Economics, Vol. 48, No. 2, July 1992, pp. 225-237
- “Testing for a Unit Root in Japanese GNP,” Japan and the World Economy, Vol. 4, No. 1, May 1992, pp. 17-37 (with Hideyuki Kobayashi)
- “Capital Income Taxation and the Current Account in a Small Open Economy,” Journal of International Money and Finance, Vol. 10, No. 4, December 1991, pp. 480-496 (with Akihisa Shibata)
- “The Japanese Tax Reform and the Cost of Capital,” Ricerche Economiche, Vol. 45 Nos. 2/3, April/September 1991, pp. 307-327
- “Distributional Considerations of Producers’ Profit in a Commodity Tax Design Problem,” Economics Letters, Vol. 35, No. 4, April 1991, pp. 423-428 (with Hideo Konishi)
学会活動・受賞等
所属学会
- 日本経済学会 理事（2008年－2010年）
- 日本財政学会
- 医療経済学会
- American Economic Association
- Econometric Society
科学研究費・各種のプロジェクトによる研究 - 国内研究プロジェクト
- 厚生科学研究費補助金政策科学推進研究「医療・介護・検診情報を接合した総合的パネルデータ構築と地域医療における「根拠に基づく健康政策（EBHP）」の立案と評価に関する研究」2009年度～2011年度 主任研究者
- 科学研究費補助金基盤研究（B）「医療・福祉システムの実証分析と持続的・効率的制度の設計」2008～2011年度 研究代表者
- 科学研究費補助金基盤研究（C）「不完備契約理論に基づく政府組織の統治構造の設計」 2005～2007年度 研究代表者
- 科学研究費補助金特定領域研究（B）「経済制度の実証分析と設計」2000～2005年度 研究分担者
- 科学研究費補助金特定領域研究（B）「世代間の利害調整に関する研究」2000～2004年度 研究協力者
- 国際高等研究所「政府統治（Government Governance）の研究」2001～2003年度
科学研究費・各種のプロジェクトによる研究 - 国際研究プロジェクト
- 内閣府経済社会総合研究所委託調査「持続可能な成長の実現に関する国際共同研究調査」2004年～2005年度
- 内閣府経済社会総合研究所委託調査「持続可能な成長経路への戦略に関する国際共同調査」2002～2003年度
- 内閣府経済社会総合研究所 ミレニアムプロジェクト「21世紀の経済社会システム研究プロジェクト」2000～2001年度
受賞等
- 日本経済学会・石川賞，2008年
- NIRA大来政策研究賞，2002年（『社会福祉と家族の経済学』東洋経済新報社刊に対して）
その他 - 学外活動（政府審議会などへの参加）
- 統計委員会国民経済計算部会専門委員
- 財政制度等審議会財政制度分科会専門委員
- 社会保障審議会医療保険部会臨時委員