大日方 隆

大日方 隆

教員名 / 職名

大日方 隆 OBINATA, Takashi / 教授

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略歴

昭和60年3月 東京大学経済学部卒業
昭和60年4月 東京大学大学院経済学研究科第2種博士課程
平成2年3月 同 単位取得退学
平成2年4月 横浜国立大学経営学部講師
平成3年4月 同 助教授
平成6年1月 東京大学大学院経済学研究科第2種博士課程修了 (経済学博士,東京大学)
平成10年4月 東京大学大学院経済学研究科助教授
平成19年4月 同 准教授
平成20年3月 同 教授

現在の研究分野

財務会計

研究課題

研究の主題は、(A)利益計算の構造を「配分(支出額の費用配分と結合原価の分割)」の観点からあきらかにし、(B)会計上の配分操作を経て計算される利益情報が、経験的にどのような意味をもっているのかを分析することである。とくに、この10年は、上記の(B)の問題に精力的、集中的に取り組み、実証研究を通じて「利益情報の価値関連性」を分析している。利益情報の価値関連性は、今日、世界の会計学界でも主要な研究テーマとして、1つの領域を形成するまでに至っており、実証課題のなかでも、根本的な問題に位置づけられている。日本企業の利益情報も海外のケースと同程度に価値関連的であり、日本はけっして会計後進国ではない。

研究業績

著書・編著 - 2001年以降

  • 『IFRS導入の論点(別冊企業会計)』中央経済社編,2009年10月
        「座談会 IFRS対応を考える」
            Session 1 会計制度をめぐる国際動向とIFRS適用に向けた諸課題,97-134頁
            Session 2 アドプションとコンバージェンス,227-264頁
            Session 3 IFRSインパクトの波及,315-333頁
  • 『日本の財務会計研究の棚卸し-国際的な研究動向の変化の中で-(中間報告書)』 日本会計研究学会課題研究委員会,2009年9月
        第4章 分野別細分類(2) -実証研究-
            第1節「実証研究全体の地図」45-47頁
            第2節「細分類領域の相互関係」47-50頁
            第4節「資本市場研究の4世代」55-60頁
  • 『法人企業統計個票データによる利益属性と会計行動』(『消滅企業の消滅に至るプロセスの検証およびその結果を利用することによる補正手段の研究』第2報告書)財務省財務総合政策研究所,2009年3月
  • 『会計情報を活用した企業評価に関する総合的研究(最終報告書)』日本会計研究学会特別委員会,2008年9月
        第1章「利益情報の有用性と市場の効率性」1-106頁
        第2章「アナリスト予想と利益情報のValue Relevance」107-140頁
  • 『事業継続能力監査と倒産予測モデル』高田敏文編著,同文舘出版,2008年5月
        第4章「比例ハザードモデル」63-154頁
  • 『減損会計基準導入の影響』財務省財務総合政策研究所,2008年3月
  • 『会計制度の設計』須田一幸編著,白桃書房,2008年2月
        第2部第7章「連結制度改革の意義」107-137頁
        第3部第9章「損益計算書区分表示の意義」64-194頁
        第4部第15章「特別法上の準備金の情報内容」298-325頁
        第5部第18章「長期請負工事収益の会計選択」371-396頁
  • 『アドバンスト財務会計 ―理論と実証分析』中央経済社,2007年
  • 『詳解 討議資料・財務会計の概念フレームワーク』斎藤静樹編著,中央経済社,2007年12月
        第2部第2章「会計情報の質的特性」69-83頁
  • 『会計情報を活用した企業評価に関する総合的研究(中間報告書)』日本会計研究学会特別委員会,2007年9月
        第2章「会計情報の有用性と企業価値評価 ―効率的市場仮説の再検討」21-137頁
  • 『法人企業統計の金融保険業への調査対象の拡大』財務省財務総合政策研究所,2007年3月
  • 『実証会計学』中央経済社,2006年
  • 『会計制度の設計に関する実証研究』日本会計研究学会課題研究委員会,2006年9月
        第1部第2章「連結制度改革の意義」13-35頁
        第2部第4章「損益計算書区分表示の意義」57-86頁
        第3部第10章「特別法上の準備金の情報内容」198-225頁
        第4部第13章「長期請負工事収益の会計選択」263-284頁
  • 『倒産予想モデルの構築とパフォーマンスの検証』日本会計研究学会スタディグループ,2005年9月
        第II部研究報告3「比例ハザードモデルと倒産分析」63-132頁
  • 『詳解 討議資料・財務会計の概念フレームワーク』斎藤静樹編著,中央経済社,2005年6月
        第2部第2章「会計情報の質的特性」43-55頁
  • 『会計基準の基礎概念』斎藤静樹編著,中央経済社,2002年
        I章「ディスカッションIb」29-39頁
        III章「ディスカッションIIIb」109-110頁
        VI章「キャッシュフローの配分と評価」185-248頁
        XI-2章「利益の概念と情報価値(2) ―純利益と包括利益―」375-417頁

論文 - 2001年以降

  • 「純利益と包括利益 ―利益属性と有用性の再検討―」『経済学論集』(東京大学)第74巻第4号,2009年1月,2-15頁
  • 「実証会計学の継承と展望」『會計』第175巻第1号,2009年1月,34-46頁
  • 「利益情報と証券市場のアノマリー」『企業会計』第60巻第7号,2008年7月,27-33頁
  • 「減損計上企業の会計行動」『経済学論集』(東京大学)第74巻第1号,2008年4月,2-75頁(岡田隆子との共著)
  • 「利益変化額と水準額のValue Relevance」『経済学論集』(東京大学)第73巻第3号,2007年10月,60-102頁
  • 「日本企業の利益情報の価値関連性 ―サーベイ:世界から見た日本―」『経済学論集』(東京大学)第72巻第4号,2007年1月,29-72頁
  • 「パネルディスカッション ―業績報告の国際動向と今後の課題―」『会計基準』第14号,2006年9月,25-54頁
  • 「多段階利益の持続性,資本化係数とValue Relevance ―日本式損益計算書における多段階利益の特性―」『経済学論集』(東京大学)第72巻第2号,2006年7月,18-84頁
  • 「負債の概念と利益のValue Relevance」『會計』第169巻第1号,2006年1月,20-33頁
  • 「意思決定有用性とは何か?」『会計基準』第11号,2005年12月,84-86頁
  • 「セグメント情報のValue Relevance ―鉄道業のケース―」『経済学論集』(東京大学)第71巻第2号,2005年7月,2-57頁
  • 「会計情報の質的特性」『企業会計』第57巻第1号,2005年1月,38-43頁
  • 「座談会 企業会計基準委員会・討議資料『概念フレームワーク』について」『企業会計』第56巻第12号,2004年12月,82-107頁
  • 「原発費用の裁量的決定とValue Relevance」『経済学論集』(東京大学)第70巻第3号,2004年10月,29-59頁
  • 「会計基準の国際的収斂をめぐる諸課題」『国際会計研究学会年報(2003年度)』 2004年3月,39-52頁
  • 「実現利益の概念と利益情報の有用性」『會計』第165巻第1号,2004年1月,51-64頁
  • 「過剰債務が株価―利益関係にあたえる影響 ―建設,不動産,流通のケース―」『経済学論集』(東京大学)第69巻第3号,2003年10月,2-35頁
  • 「利益,損失および純資産簿価情報のRelevance」『経済学論集』(東京大学)第69巻第1号,2003年 4月,2-57頁
  • 「時価会計とグループ経営」『マネジメント トレンド』(経営研究所)第7巻第1号,2002年6月,20-31頁
  • 「企業会計と情報開示制度の基礎」『會計』第161巻第2号,2002年2月,85-96頁
  • 「座談会 企業会計審議会『企業結合に係る会計処理基準に関する論点整理』について」『企業会計』第53巻第11号,2001年11月,50-67頁

その他 - 書評 - 2001年以降

  • 音川和久『投資家行動の実証分析』(『企業会計』 第61巻第10号,2009年10月,95-95頁)
  • 石川博行『配当政策の実証分析』(『会計』第172巻第6号,2007年12月,140-143頁)
  • 五十嵐邦正『現代財産目録論』(『会計』第163巻第3号,2003年3月,319-322頁)
  • 高山明子『財務諸表の理論と制度』(『会計』第162巻第4号,2002年10月,603-606頁)

著書・編著 - 2000年以前の主要業績

  • 『企業会計の資本と利益 ―名目資本維持と実現概念の研究』森山書店,1994年

論文 - 2000年以前の主要業績

  • 「制度会計と情報開示」青山護・井上正・松井美樹編著『制度経営学入門』第13章,中央経済社,1999年
  • 「不良債権の償却情報の意味-“Earnings Response Coefficients”の検証を通じて」ディスカッション・ペーパー,98-J-32,日本銀行金融研究所,1998年
  • 「邦銀大手の債権償却-利益平準化仮説の検証-」『横浜経営研究』18巻4号,横浜国立大学,1998年3月
  • 「債権の評価」『横浜経営研究』18巻1号,1997年6月
  • 「金融資産の時価評価-理論的検討」『証券アナリストジャーナル』34巻5号,1996年5月
  • 「先物によるヘッジ活動の業績測定」『横浜経営研究』16巻3号,1995年12月
  • 「先物投資の業績測定」『経済学研究』61巻3・4号,九州大学,1995年10月
  • 「市場性のない債券の評価と会計上の利息概念」『横浜経営研究』16巻1号,1995年6月

その他 - 書評 - 2000年以前の主要業績

  • 音川和久『会計方針と株式市場』(『企業会計』51巻7号,1999年7月)

学会活動・受賞等

所属学会

  • 日本会計研究学会 幹事(1998~2000年) 評議員(2006年~)
  • 国際会計学会
  • ファイナンス学会

科学研究費・各種のプロジェクトによる研究

  • 基盤研究B「日本の財務会計研究の棚卸 ―国際的な研究動向の変化の中で―(課題番号21330109)」(2009年~)
  • 基盤研究C「料金規制環境と株価―利益関係(課題番号 15530297)」(2003~2004年)

研究会報告

  • 韓国会計学会における研究報告(江原道高城郡・雪嶽I’PARKコンド,2008年6月)

受賞等

  • 第56回日経・経済図書文化賞(2013年)
  • 第23回日本公認会計士協会学術賞(1995年)

その他 - 学外活動(政府審議会などへの参加)

  • 財務省財務総合政策研究所法人企業統計調査に関する研究会ワーキンググループ 委員(1998年~)
  • 社会保険庁公的年金会計のあり方に関する懇談会 委員(1998年)
  • 大蔵省企業会計審議会第一部会 幹事(1998~2001年)
  • 通商産業省資源エネルギー庁公益事業部電気事業審議会 専門委員(1999~2000年)
  • 資源エネルギー庁電気事業分科会基本問題小委員会委員(2002年)
  • 財務会計基準機構 テーマ協議会委員(2001~2007年) 基準諮問委員会委員(2008年~)