野原 慎司

教員名 / 職名
野原 慎司 NOHARA, Shinji / 准教授
教員個人ホームページ
nohara[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp
※[at]を@(半角)に置き換えてください
略歴
平成16年3月 | 京都大学経済学部経済学科卒業 |
平成18年3月 | 京都大学大学院経済学研究科経済システム分析専攻修士課程修了 |
平成22年9月 | 京都大学大学院経済学研究科経済システム分析専攻博士後期課程 研究指導認定退学 |
平成24年3月 | 京都大学大学院経済学研究科経済システム分析専攻博士後期課程修了 京都大学博士(経済学) |
平成26年4月 | 東京大学大学院経済学研究科講師 |
平成30年11月 | 東京大学大学院経済学研究科准教授 |
現在の研究分野
経済学史(イギリス、ヨーロッパ、日本)、社会思想史、イギリスの文化、アダム・スミス、経済哲学
研究課題
経済学の歴史を振り返ること、および経済学の歴史の背後にある社会思想を捉えることを研究しています。経済学は、現在では様々な分野に分かれており、全体として、どのような人間像や社会像を前提としているのかは把握しにくくなっています。経済学の歴史を振り返ることは、現在の経済学がどのような前提に立っているのかを理解することにつながります。経済学の確立者として知られるアダム・スミスおよび彼が属する啓蒙主義という背景から、経済学がどのような人間・社会理解を前提としているのかを研究しています。
根本的には、経済学の歴史の理解を通じて、資本主義の本質を理解することを課題としています。資本主義とは何かという問いは、過去の経済学者によって取り組まれてきたもので、それを踏まえると、資本主義とは何かを把握しやすくなります。
さらに、経済学の歴史の考察を通じて、経済学とは何か、資本主義とは何かを哲学的に考察することも研究しています。
加えて、スミスのみならず、経済学の歴史上の人物を広く研究しています。そうした研究から、経済学の歩みを捉えること行なっています。
また、経済学成立の背景となるイギリス・ヨーロッパ社会の歴史を行なっています。経済学はイギリス・ヨーロッパ社会から生まれました。経済学史の研究には、イギリス・ヨーロッパの歴史の理解が欠かせません。思想・経済学説、社会のみならず、文化も研究対象としています。ホゥガースの版画などの文化も研究対象としています。
なお、戦後日本の経済学史の研究もしており、資料収集、関係者の訪問、インタビューなども行なっています。
研究業績
著書・編著
- Commerce and strangers in Adam Smith, Springer, 2018
- 『戦後経済学史の群像:日本資本主義はいかに捉えられたか』、日本評論社、2020年
- 『経済学史:経済理論誕生の経緯をたどる』、日本評論社、2019年(共著)
- 『アダム・スミスの近代性の根源:市場はなぜ見出されたのか』、京都大学学術出版会、2013年
論文
- “Adam Smith's science of commerce: the effect of communication,” Adam Smith Review, 11, 2018
- “In the Library of Adam Smith,” in P. J. Corfield and L. Hannan (eds.), Changing arts of communication in the eighteenth century, Honoré Champion, 2017
- “Hume and Smith on morality and war,” in A. Rosselli and Y. Ikeda (eds.), War in the history of economic thought: economists and the question of war, 2017, London: Routledge
- 「アダム・スミスにおける貧困対策問題」、『経済学論集』、80(1・2), 2015年
- 「啓蒙の世界観ーポープとスミスの「見えざる手」」、長尾・坂本編『徳・商業・文明社会』、京都大学学術出版会、2015年
- 「テュルゴとスミスにおける未開と文明ー社会の平等と不平等」、田中秀夫編『野蛮と啓蒙ー経済思想史からの接近』、京都大学学術出版会、2014年
- 「共通善は存在しうるのか−トマス・ホッブズからアダム・スミスに至る自然法思想史の観点より−」、岩波書店、『思想』、2013年
- 「ウォルポール体制期における政治社会と個人の葛藤−自由とは何かをめぐって−」、『調査と研究』、第38号、2012年
- 「帝国と自治の関係をめぐって−チャールズ・ダヴナントの北アメリカ植民地論を中心に」、岩波書店、『思想』、2011年
- “Bolingbroke and his Agnostic-Rational View of the World: Searching for the Religious Foundation of the Enlightenment,” The Kyoto Economic Review, Vol. 80(1), 2011
- “Adam Smith on the cyclicity of the rise and fall of civilization”, The Kyoto Economic Review, Vol. 79(1), 2010
- 「アダム・スミスの「文明」概念」、『調査と研究』第36号、2010年
その他 - 研究ノート
- (with Nicholas Phillipson and Craig Smith), “Adam Smith's Library: recent work on his books and marginalia,” Adam Smith Review, 11, 2018
その他 - 翻訳
- ジョン・ロバートソン著、野原・林訳『啓蒙とはなにか;忘却された<光>の哲学』、白水社、2019年
- ロンルド・L・ミーク著、田中監訳、村井・野原訳『社会科学と高貴ならざる未開人:18世紀ヨーロッパにおける四段階理論の出現』、昭和堂、2015年
学会活動・受賞等
所属学会
- 経済学史学会
- 社会思想史学会
- 政治経済学・経済史学会
- 日本イギリス哲学会
- アダム・スミスの会
- 日本18世紀学会
- International Adam Smith Society
- Eighteenth Century Scottish Studies Society
- History of Economics Society
科学研究費・各種のプロジェクトによる研究
- 科研費・基盤研究B(代表者)「制度の複合的研究:経済学の哲学的基礎」(2020年〜2024年度)
- 科研費・若手研究B(代表者)「アナリティカル・アプローチによる欲望思想の新角度からの研究:経済学基礎仮定の解明」(2014-2016年度)
その他
- 東大EMP第14期修了生