研究科長挨拶


経済学研究科長・経済学部長
持田信樹

 日本の経済社会はいま巨大な変化の渦中にあります。昨年は英国のEU離脱やアメリカにおけるトランプ大統領の誕生という歴史的な出来事が起こりました。国内に目を転じれば、少子高齢化の急速な進行と社会保障のあり方、労働・雇用・格差、グローバル経済における企業の競争力、そして金融・財政政策のあり方などの課題に直面しています。

 こうした激動期にあっては目の前の現象に惑わされず、本質を見抜く力が求められます。経済・社会現象を鋭く分析し、経営戦略を練り、政策を立案することは社会人の教養として不可欠といってよいでしょう。われわれは過去を変えることはできませんが、その歴史を学び将来を選択することは可能なはずです。

 そのためには世界を眺め理解するための≪プリズム≫が必要となります。その≪プリズム≫の役割を果たすのが経済学です。経済学は現代社会を成り立たせる経済の仕組みや多くの人々が日々の糧を得る企業活動、さらに金融などを中心にして、経済・経営・金融に関連する幅広い分野を探求する学問です。多くの国々で社会科学の中のもっとも基本的な学問として取り上げられている経済学は経済社会のあらゆる問題に適用可能であるといえるでしょう。

 東京大学経済学部はこれまで日本の経済学や経営学の研究・教育をリードし、国内外で活躍する人材を多く輩出してきました。来たる平成31年4月1日に東京大学経済学部は創立百周年を迎えます。創立以来、経済学部は実業界、官界、学界などの各界に数多くの有為な人材を供給してきました。本学部の財務的基盤をより強固なものとするために「次の百年基金」を設けたところです。皆様のご理解・ご協力を心からお願いいたします。百周年を機に、東京大学経済学部を日本、さらにアジア、世界における経済学の研究・教育の拠点として発展させるべく、スタッフ一同努力していきたいと考えています。

 

  2017年4月1日
東京大学大学院経済学研究科長・経済学部長
持田信樹
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